Bring Me to Life (オリジナル/+2/+3)

Bring Me to Life (オリジナル/+2/+3)

ブログが前後しますが、この曲は元々ロックの曲ですが、キャサリン・ジェンキンスさんがソプラノ音域を使って、所謂、ネオクラッシック楽曲にアレンジして歌った曲です。既存曲では非常に珍しく、「A4ーA5」の1オクターブで音階で上昇するメロディが追加されています。ただ、全体音域としては1オクターブと3度に留まるので若干狭いのと、高音域にメロディが集中するので、下半分使ってない物足りなさ感が否定出来ません。

私は基礎段階の「2オクターブ楽曲」は製作しましたが、自分の作曲能力には限界がありますし、出来る限り歌う事に集中したい為、既存曲の楽曲開拓をしています。日本語の歌はもちろん、英語圏の方の練習曲としては、英語の歌が必要です。3オクターブ歌手が育てば、楽曲製作の分業体制も復活しますし、結局、歌曲とは、歌う人材が居なければセールスにはなりません。高品質を求めれば、広音域楽曲になって当然でしょう。

この曲はオペラ的な要素もあり、3オクターブ歌唱法の課題曲としても非常に勉強になると思います。そこで、オリジナルの「A4-A5」に加え、「B4ーB5」と「C5-C6」の3パターンで歌ってみました。同じメロディで高音へシフトした際に、どう歌が変わるかの実験してみました。

Bring Me to Life オリジナルキー 

この楽曲も、オペラ発声と今井式3オクターブ歌唱法の「決定的な違い」が良く解る1曲と思います。オペラ発声は、基本的に「喉を開く歌い方」なので、声に「息漏れ音」が入ります。また、単音の発声の段階で最初から「波打つ(ビブラート)声」なので、ロックなどアップテンポでビートをきっちり刻んだ楽曲では、音程が不明瞭になり、また、歌が遅れがちになります。

これまで高音域は、オペラ発声しか選択肢が無いと思われて来たため、この歌い方が定着していますが、本来は、高音域であっても、声は真直ぐ出せるべきであり、アップテンポでもビートにきっちり乗れないとなりません。今井式3オクターブ歌唱法では、この問題を完全に解決します。

Bring Me to Life 半2音アップ

全1音アップで歌ってみました。ポップスの場合は、Aメロの冒頭などは「情感豊か」に静かに歌い出すことが多いので、そのまま音域をソプラノ音域に上げると、高音域での音声形成には、ある程度の「息」は必要になるので、歌声のコントロールが難しくなります。

私の歌唱法では、声そのものに「強い響きが付く」ので、レコーディングした歌では余り感じませんが、私の感覚的には、物凄い小さな声で歌っています。この曲は、小さく歌って大きく響かすテクニックの練習になると思います。

Bring Me to Life 半3音アップ

日本語の場合、言葉がはっきりしている分、歌の際の構音も難しくなります。広い音域ではその傾向が著になるため、必然的に、音域の狭い楽曲が多かったですし、高音が広い楽曲は歌い手が早期に声のトラブルを抱えることも珍しくなく、海外に比べ「歌手の2オクターブ以上の標準化」も進みません。

また、この30年程はアイドルブームとカラオケブームの影響で、オケも「素人さんに優しい」作りが多く、音数が多い分、アレンジミスも多発してます。一方、海外の一流アーティストの楽曲は「余計な音が無い」ので、一般カラオケでは歌う人も激減しますが、私にはむしろ歌い易いです。歌ってる後ろで、楽器でユニゾンとか、しっとり感情表現したいとこで、不協和音をかまして来るとかも本当に辛い。

この楽曲は、そういう「余計な音」がなくて、自分の「立ち位置」が配慮されており、普通に歌えば、オーケストラの音と自分の声がピッチリ重なるので、歌っていて「包まれている感」が堪りません。オペラの歌手は、かなり有名な方でも、音程はかなり微妙な場合が多いです。1900年代以降に主流となったオペラ発声の限界でしょう。

最近は少しオペラ歌手も、まっすぐな声にはなって来て、音程精度も上がって来ましたが、既存法の延長線上ではあるので、音程は許容でも、アップテンポな曲で「ビートに遅れる」問題は解決出来て無いようです。確かに、ソプラノ音域で、ピッチもビートもきっちり歌うのは簡単では無いでしょう。そういう意味では、私の歌デモは、相当、ぴっちり歌ってると思います。

 

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